代表挨拶
当ホームページをご覧いただきましてありがとうございます。
私は医療事故で母を亡くしました。(埼玉県済生会栗橋病院とは一切関係ありません。)
それは、あまりに突然のことで後悔と絶望しかないと思うほど、つらく苦しい経験でした。
当初、なぜあの病院に連れていってしまったのか、なぜあの時、もっと主治医に母のことをお願いしなかったか、母に申し訳ない気持ちで自分を責めました。
また私は医療事故を起こした病院に対して怒りと憎しみしかなく、病院の欠点を探しては、さらに怒りと憎しみを増幅させ、病院へ連れて行った自分をまた責め、負の思考を続けてばかりでした。
このままではすべてが不幸になってしまうのでは、と自分の中で思うようになりなりました。そのような状況の中、2012年初代代表 阿真京子の Orinasの発足の活動を知り、自分の体験が活かせるのではないかと活動に参加いたしました。
そして、さまざまな方と出会い、さまざまな活動に参加する中で、医療者と患者とでは思考や価値観など互いに異なった考え方、ギャップがあることを知りました。
患者となって初めて日本医療の現実を知る患者と、日々、人の生死に携わり同様の患者を何百、又は何千と関わる医療の専門家というように、またそれぞれに時間の経過があり、限られた時間内では埋めることが難しいギャップの存在を知りました。
この双方のギャップが、時にトラブルに発展させ、共に傷つくことがおきているのだと私は考えます。
私は、医療を進めるにあたり、患者、医療従事者がお互いの事情を組みとり相互理解が得ることができれば、さらに医療の質が向上するとともに、不要なトラブル、第三者の介入は減らせるのではと考えています。
これは自ら経験した医療事故の経験から言えることです。
医療従事者と患者は対立関係にあるわけではありません
患者の健康を高めることが同じ目的であることをもっと、お互いに理解し合う必要があると思います。
そこで、私は現在の済生会栗橋病院で行われているこの活動、日頃から院内で気軽な雰囲気で医療について話が出来るOrinasの活動は患者、医療従事者双方にとってとても大事であると考えています。
まだ済生会栗橋病院の1か所ではありますが、今後は他の病院へも広げていき、医療によって患者、家族、医療従事者ともに傷つくことがないよう、患者支援、医療従事者支援をおこなっていきたいと思っています。
みなさまのご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
2016年8月
医療市民マイスター協会/Orinas代表 中島哲也